汽車

もう何年も乗る機会がなかったのだけど、この夏の台風で高速バスが運休になり、急きょ汽車に乗ることになった。

 

しかもグリーン車
普通席が満席だったから「仕方がないか…」と思って乗ったのに、シートの上品さと座り心地のよさ、また久しぶりの汽車ということもあって、小学生か!ってくらい興奮してしまい、あやうく鼻で歌をうたってしまいそうだった。
(自制できたのは、隣の席に人がいたからだと思う)

 

人生初のグリーン車をこんな形で経験するとは思ってなかったなー
でも、こんなことでもないと乗ることがなかったかもしれない。

 


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(写真がないためお借りしました)

 

 

わたしが育った場所は電車が走っていないため、高校を卒業するまでは隣町にある小さな駅から「汽車」に乗って旅行に出た。
改札で駅員さんに切符を切ってもらうと、これから旅が始まるんだ!とワクワクしたのを覚えている。

 

わたしは汽車に乗るのが大好きだった。
汽車は非日常で、わたしにとっては、特別なときにだけ乗ることができる特別な乗り物。
不思議なことに、いつもの木や林や森さえも、汽車の窓をとおすと違うものに見えた。
駅にいるのは「旅に出る人」と「旅から帰ってきた人」がほとんどで、待合室で語られる旅の話を聞くのも好きだった。

 

“汽車に乗るのが好き”だったのか、
“汽車に乗ることで始まる非日常が好き”だったのかは、いまとなってはわからないのだけど。

 

この出来ごと以来、なんとなく旅について考えている。
普段着でじゅうぶん。
荷物も最低限でいい。
いちばんの目的は楽しむことだから。
楽しめるうちに旅に出よう。