仕事前の癒し

通勤の際、花を大切に育てているお宅の前を通る。
プランターや鉢に植えられた色とりどりの花たちが、家の玄関を囲んでいる。
もうすぐ会社に着いてしまう…という憂うつな気持ちも、その可愛らしい花たちのおかげで少しやわらぐ。

 

育てているのは、母とそれほど年が変わらないように見える女性。
お花が本当に好きなのが伝わってくる。
わたしが通るとき水をあげていることも多いため、朝の挨拶をしてみようと思うのだけど声が出ない。

 

「大切にされていますね」
「きれいですね」
「いつも癒されています」
たった数文字なのに、そのひと言がかけられずにいる。

 

いきなり声をかけられたら困るかな。
不審者認定をされてしまうかな。
そんな不安が頭をよぎる。

 

見ず知らずのひとからでも、大切にしている自慢のお花を褒められたら嬉しいものだろうか。