5歳児とダンゴ虫 

姪っこと遊んだ。
遊んだというよりも、”彼女の遊びにひたすら付きあわされた”
と言うほうがあっているかも。

 

この日の本来のミッションは、”安全な田んぼ道で自転車に乗る練習をすること”
だったのだけど、乗ったのは、ほんの最初だけだった。

 

田んぼの中にオタマジャクシを見つけると、
乗りはじめて まだ100メートルほどで、
彼女は自転車への興味を無くしてしまった。

 

それから30分ほどは、ひたすらオタマジャクシの観察。
『オタマジャクシって、大きくなったらカエルさんになるんだよー』と教えてくれる。
「へーよく知ってるじゃん」と感心するわたし。

 

草の中にかくれていた緑色のバッタが飛び出すと、こんどはバッタに夢中になる。
捕まえて!と言われたけれど、
囚われの身にするのがなんだかかわいそうで、
ドジって捕まえられないふりをした。
ごめんね、姪。

 

興味をなくされた自転車を引っぱるのが面倒になって、
「あんた、乗らへんならアタシ乗っていい?」
って聞くと、ダメだと。
「いいやん、いま乗らへんなら乗らせてよ」ってお願いしても、
やっぱり乗らせてはもらえなかった。

 

1時間半ほどの自転車の練習(ではなく生きもの観察)を終え、家にもどってきた。
「やっと中に入れるー」と思っていたのに、入りやがらない。笑

 

こんどは、隣の家とのあいだにある溝の中を掘りだした。
『入れもの持ってきて』と姪。
よくわからないけど、とりあえず豆腐の空き容器をわたす。

 

見ていると、素手でつぎつぎとダンゴ虫を捕まえていく。
白い底があっというまに黒くなった。
その黒いのが めっちゃうごめいている。
40匹…?もっと?

 

その容器を家に持ちこもうとするのを、
なんとか玄関までに押しとどめることに成功したときは ホッとした。

 

そうこうしているうちに、
こんどは虫眼鏡で、その うじゃうじゃを観察しはじめた。
そして親切に、わたしにも見ろと言う。

 

子どもの頃は、わたしも大丈夫だったんだ。
子どもの頃はね。

 

結局その日は、捕まえて逃がしてを 3回繰り返しては、
そのたびに手を石鹸でゴシゴシと洗われた姪なのでした。

 

今日わかったこと。
ダンゴ虫が超絶すき。
彼女いわく、”ダンゴ虫のほうが彼女に会いにくる” らしい。
ダンゴ虫は大丈夫なのに、ちっちゃいちっちゃい蜘蛛はこわいと言う。
そして、なぜか彼女のなかで蜘蛛は超絶ワルモノなのである。笑

 

なにかに夢中になっている姿がいとおしくも、尊く思えた日でした。